この記事では2016年10月22日に発売されたキャラクタープラモデルのFigure-riseBust [フィギュアライズバスト]シリーズNo.9「カナメ・バッカニア」を製作レビューします.
はじめに
この記事はキャラクタープラモデルの製作レビューが主となっていますが,無塗装モデラー必須スキルである「ゲート処理」についても詳しく解説しています.
キャラクタープラモデルのような局面(カーブ)の多いパーツでゲート処理をマスターしたならば,どんなジャンルのプラモデルでも問題なく無塗装で完成させることが可能です!
無塗装によるプラモデル製作を充実させるうえでも,ぜひ「身」につけていただければと思います.
アニメキャラクター「カナメ・バッカニア」とは?
「カナメ・バッカニア」さんはマクロスシリーズのアニメキャラクターです.
マクロスF(フロンティア)の後に放送されたマクロスΔ(デルタ)に登場する戦術音楽ユニット「ワルキューレ」5人組のメンバーであり,リーダー的な存在です.
マクロスとか知らないんで興味ないです・・・
という方もいると思いますが,先ほど説明したように「ゲート処理」に関する部分はぜひ読んでもらえればと思います.無塗装プラモデル製作において重要なことをまとめてあります.
戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の中でも「カナメ・バッカニア」さんが筆者の好みであることはさておき,第1回目のキャラクタープラモデル製作レビューを始めていきます(^^)/
キットレビュー
パッケージ(箱絵)
パッケージはこんな感じでプラモデル感がありつつも完成品フィギュアのような印象を受けます.
新技術「レイヤードインジェクション」による顔と目の色分け再現には目を見張ってしまいました.
組立説明書
表面はオールカラーで,裏面はピンク色.
説明はとても分かりやすく組立で悩むような部分はありません.
プラモデル製作に慣れていない方でもスムーズに組めるよう配慮されています.
なんと言っても超有名なガンプラを販売するBANDAIの商品ですからね.
各ランナーについて解説
これがBANDAIのプラモデル技術!!
生で見るとその凄さを実感します.
目のパーツも驚異的.
4色の樹脂で一体成型されており,4つの層の中にはブルーのクリアー層まであります.
どうやって射出成型しているのか非常に気になりますが真相は分かりません.
どのランナーも成形不良やバリがほとんどなく,表面も凹凸のない半ツヤでとても綺麗です.
ゲート跡がない限り表面処理はまず不要だと思います.
ネクタイやマイク,服の模様などはシールを使用して再現します.
製作レビュー
それでは製作を開始していきます.
ボディの組立
ボディの組立に使用するパーツを全て並べましたが、思いのほかパーツ数は少ないです.
そして,筆者でとても気になる肌パーツですが,ゲートは肌パーツ表面ではなく断面にあります.これにより組立後ゲート跡は見えなくなります.
つまり,白化を心配する必要がないということです.これはありがたい!(^^)!
他の肌パーツもそうだと良いのですが…
それにしても全く違和感のない肌色で素晴らしいですね( ゚Д゚)
ゲート処理編
組立を始める前にゲート処理に関する内容を解説したいと思います.
とても重要なので少々お付き合いください(^_^;)
画像のボディパーツはランナーから切り出した直後のパーツですが,ゲートを1~2 [mm] 残して切断しています.
なぜゲートを残すのか?
それはゲート処理が
無塗装プラモデルの完成度に最も影響を与えるからです.
では,ゲート処理に失敗すると?
- ゲート跡が白化(白くなること)
- 表面に凹凸
といった問題が発生し、完成後の見栄えを大きく損なってしまいます.
これが結果的にプラモデルの完成度を下げてしまうという訳です.
これを防ぐため,筆者が実際に使用している工具とゲート処理方法を紹介します.
筆者が使用(愛用)している2種類のニッパーです.
左が薄刃ニッパー,右が片刃ニッパーです.
片刃ニッパーの商品名は「ゴッドハンド アルティメットニッパー5.0」で,現在販売されている片刃ニッパーの中でも最高の切れ味で,ゲート処理に最も適しています.
アルティメットニッパー5.0は片側(ピンセットの先側)が刃,反対側は刃がなくまな板の役割となっています.
この構造によりゲートを綺麗に切断できるのです.
「ゲート処理めんどくさそう・・・」
「ニッパーに2個も用意するの?」
という方もいると思いますが,筆者を含め「ゲート処理めんどくさい派」には特にオススメで,白化しにくいだけでなく,その後の処理もカンタンになるため結果的に楽&時間短縮になります.
ただし,「アルティメットニッパー5.0」は高価格なうえ繊細に扱わないと刃が簡単に欠けてしまいます.
無塗装モデラーならいずれは手に入れておきたいところですが,まず最初は薄刃ニッパーだけでも問題ありません.ニッパーの扱いに慣れたうえで予算に余裕があればぜひ検討してみてください(^^)/
ではゲート処理の具体的な手順を解説していきます.
ゲート処理の具体的手順
1.ランナーからパーツを外す
薄刃ニッパーでランナーからパーツを切り取ります.(アルティメットニッパー5.0は使用しないでください,刃が欠けます.)
必ずゲートを1~2mm残してください.
2.ゲートの切断
アルティメットニッパー5.0でゲートを切断します.
画像は上が切断前,下が切断後となっています.
もはやゲートがどこにあったのか分からない程綺麗に切断できています.
3.仕上げ(完成度をより高くしたい方向け)
完璧にゲート跡をなくしたい方は,スポンジヤスリと紙やすりで処理しましょう.スポンジヤスリが800番,紙やすりが1200番です.
処理後はゲート跡が完全に見えなくなります.
ゲート跡が目立ちやすい黒パーツの例
ゲート跡の白化が目立ちやすい黒パーツも先ほどと同様の手順で綺麗に処理できます.
なお,この後に出てくるパーツも同様の方法で処理しています.
無塗装モデラーを目指す方にはぜひこのゲート処理方法を身につけていただければと思います(>_<)
以上,ゲート処理方法の解説でした.
ここからはボディの組立になります.
ボディの細かい色分けはシールで行います.
ご覧のように単色だったパーツが色鮮やかになりました.
シールの粘着力はかなり強く,一度貼るとなかなか剥がせないので一発勝負になりそうです.
シールを貼ったら組立です.
パーツの合いは抜群でパチパチはまっていきます.
背中の筋まで再現されていますが,組むと見えなくなるのが少し残念です.
ボディ完成です.
服やネクタイの躍動感が素晴らしいです.
シールも強い粘着力のおかげでしっかり密着しています.
腕部の組立
左腕のパーツです.
肌パーツの肩や上腕に大きめのゲートを発見!(゜-゜)
これだと白化は防止できても,ゲート部分が変色する恐れがあります.
ゲート処理後の画像です.
ゲートは綺麗に処理でき白化もありません.
しかし,よく見ると肌の色がちょっと濃い部分が・・・
これがゲート部の変色です.
完全に防ぐにはニッパーではなくヤスリでゲートを削りとる必要があります.
時間も労力もかかるので「ちょっとの変色なら気にしない」という方はニッパーで処理しちゃいましょう(^_^;)
左腕が組みあがりました.
ゲートの変色はありますが,パーツの半ツヤが肌の質感にマッチしていい感じです.
パーツのつなぎ目も分かりずらく,BANDAIの設計思想に感謝です(^_^)
右手のパーツです.
脇下に大きめのゲートがありますが組めばほとんど見えなくなるので問題なし.
BANNDAIさん,他の肌パーツも見えない部分にゲートを配置していただけると嬉しいです.
右腕を組みました.
ゲート跡はほとんどなく良好な仕上がりになったと思います.
ちなみに手首のリングはシールです.
頭部の組立
キャラクタープラモデルの命である顔パーツ.
ゲートはアゴの両側にあります.
顔にゲート跡や変色は絶対に残したくない場合はヤスリのみで処理することをオススメします.
目のパーツがつくとこんな感じです.
フィギュアと錯覚するほどです・・・
髪の毛パーツは凹凸が多くゲート処理が少し大変です.
片刃ニッパーは使用しない方がいいでしょう.
華の髪飾りも分割で上手く再現されています.
頭部完成です.
ベースの組立
残すパーツはベースとなりました.
黒パーツは白化が特に目立ちやすいので注意しましょう.
黒の単色パーツもシールを貼ればいい感じになります.
これで全ての部組が完了です!
完成!
カナメ・バッカニアさんが完成しました!(^^)!
ボディと腕部の結合部に隙間ができないか心配だったんですが全く問題なし.
さすが「BANDAIのプラモデル」です.
それにしても,いざ完成すると全くプラモデルに見えません・・・
まとめ
キャラクタープラモデルは初めて製作しましたが,個人的にとても満足しております!
良かった点
- ガンプラのように誰でも組める
- シールの粘着力が強い
- パーツの合いが良好
- 見た目はフィギュアとかわらないのに安価
- 顔と目のパーツが素晴らしい
いまいちな点
- 肌パーツ表面に大きめのゲートがあり跡になりやすい
- 肩や二頭筋辺りのゲート跡が完成後に目立つ
他にも様々な種類のキャラクタープラモデルがBANDAIから発売されているので,興味のあるキャラクターがあればぜひ製作してみてください!
とても楽しいですよ(^^)d
以上、キャラクタープラモデル「カナメ・バッカニア」の製作レビューでした.
ご閲覧いただきありがとうございます.
コメント
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