本記事ではフジミ模型から発売されている車NEXTシリーズのトヨタ・FJクルーザー(ツートーンイエロー)を製作レビューします.
結論
- 車NEXT:トヨタ・FJクルーザーは初心者の方にもオススメ
- 無塗装でもリアルなトヨタ・FJクルーザーが完成する
- 接着剤は用意した方がいい
トヨタ・FJクルーザーとは?
FJクルーザーとはトヨタが開発したSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)です.
個性的なデザインとカラフルなボディーカラーが特徴的で,街中を走っていればひときわ目立つSUVとなっています.
現在でも根強い人気がありますが,生産は2018年に終了しています.
生産終了後も人気は衰えていないので中古市場でもなかなか値落ちせず,筆者の所得では簡単に実車を手に入れることは出来ません.
そこで筆者は,車NEXTのトヨタ・FJクルーザーに目をつけました.
車NEXTシリーズ:トヨタ・FJクルーザー
フジミ模型の車NEXTシリーズからは様々なカラーの「トヨタ・FJクルーザー」が車プラモデルとして発売されています.
本記事では筆者が購入したツートーンイエロー仕様のトヨタ・FJクルーザーを例として内容を解説していきます.
フジミ模型の車NEXTシリーズについて知らない方は,ぜひこちらの記事も読んでみてください(^^)/ 車NEXTシリーズの特徴を詳しく解説しています.
パッケージ(箱絵)
こちらが今回製作するフジミ模型 車NEXTシリーズ:トヨタ・ FJクルーザー(ツートーンイエロー)のパッケージとなります.
右下に実際の完成品画像があり,接着剤&塗装不要であることがアピールされています.
側面にはパーツや分解図,付属のシールなどが紹介されており,キット内容が一目瞭然です.
箱を開けなくてもキットの中身が分かるのはとてもありがたいですね(^^♪
組立説明書
組立説明書としてモノクロ印刷の冊子が付属します.
表紙ではFJクルーザーの完成図やゲート処理方法,窓枠シールの貼り方などが説明されています.初心者の方に向けた良い配慮だと思います.
パッと見の印象ですが,組立説明はとても分かりやすい感じがしました.
各パーツの正式名称も記載されているので,筆者のような車の構造にあまり詳しくない方でも安心です(^_^)
各ランナーを紹介
組立説明書の裏にはキット内容の一覧があります.
念のため各ランナーを眺めつつ,部品の不足や不備がないか確認しましょう.
ランナーが不足していることは滅多にありませんが,成型不良は筆者の経験上数回あるので注意が必要です.
不良があった場合,メーカーに問い合わせればすぐに代替品を無償で送ってもらえます.
それでは各ランナーをチェックしていきます.
まず最初はこの全体的にカラフルなランナーです.
ウインカーやブレーキランプといった色つきのクリアパーツや,窓ガラスのクリアパーツが目を引きます.
細かい色分け用のシールも確認できます.
フロントグリルやエキゾーストパイプ,ホイールといったパーツのランナーです.
シルバーに近い色で成型されています.
タイヤはゴム製です.
こちらのランナーはシャーシ関係のパーツが主となっています.
サスペンションやプロペラシャフト,ナックルケースなど,メカ好きにはたまらないパーツがたくさんあります.
こちらは内装関係のランナーです.
後部座席のプライバシーガラス(外からは中が見えにくい色つきのガラス)も色付きクリアーで見事に再現されています.
こちらのランナーは窓枠やワイパー等といった細かいパーツが多く確認できます.
ランナーから切り離す際や組立時は破損に注意が必要そうです.
本キットのメインであるツートーンイエロー成型のボディーパーツです.
見事な一体成型でFJクルーザーの形状がしっかり再現されています.
筆者がイメージしていた通りの色だったのでテンションが上がってしまいました.
そしてさらに素晴らしいのがこのボディーパーツの光沢!
実車と変わらないほどの光沢がありとても感動しました.
これなら無塗装でも高い完成度が期待できそうです.
トヨタ・FJクルーザー組立編
ここからは組立編になります.
シャーシ系の組立
最初はシャーシ系の組立から始まります.
車の構造を学びながら組立できる点は車プラモデルの醍醐味です.
もし筆者が小学校の先生だったら,間違いなく図工の教材として車NEXTシリーズを選択するでしょう.身体を使って覚えなければ「身」に付きませんからね.
フロントサスペンション部分はこんな感じで組上がりました.
ステアリングは可動式で左右のナックルがバーで連結されているため同時に動きます.
組立の注意点はナックルケースのパーツです.普通に組んでいてパーツのダボが破損しました.
しかも4箇所中2箇所も壊す始末で,大半の方が壊してしまうのでは?と感じるほど組むのが難しいです.
さらに車軸パーツを固定する重要パーツなため,ダボが破損するとまともに組めず接着剤が必要となります.
筆者の組み方が悪かったのもありますが,破損しないように組む方法があるのであれば説明書に記載して欲しかったなと感じました.
こちらはリアサスペンション部分です.細部までリアルに再現されており,情報量も多く見応えがあります.
このメカメカした感じが筆者的にはたまりません(^q^)
シャーシ全体の完成した様子はこんな感じです.
画像だとなかなかな奥行き感が分かりませんが,生で見ると実写さながらの凹凸感がありこのまま飾りたい程リアルな仕上がりです.
ちなみに皆さん,お気づきでしょうか?
なんとこんなところに「隠れFujimi」があるんです!
どういう意図があるのかは不明ですが,ちゃっかりフジミを主張してくる感じが筆者的には面白かったです(^_^)
内装の組立
こちらは内装の組立に使用する全パーツです.
大部分が一体成型されており,パーツ数を減らす工夫が見て取れます.
組立で注意したいのがシフトレバー関係のパーツです.
パーツ自体が指で掴めないほど小さいので,無理にダボ穴へ押し込むと簡単に折れてしまいます.
こういう部分はスナップフィット式の弱点ですね.
筆者はダボを短く切断し接着剤を使用して固定しています.
ちなみに完成後はほとんど見えなくなるので,折れても大きな問題はありませんので安心してください.
こんな感じで組立後はシールを貼って内装を色分けします.
ボディーカラーと同様に内装までイエローが多く使われているとは・・・知りませんでした( ゚Д゚)
フロントパネルの拡大画像です.ご覧の通りシールによる色分け効果は抜群で,運転席周りはかなり見応えのある仕上がりとなりました.
ナビ画面の地図まで再現されているのは驚きです.
ボディーの組立
まずは窓ガラスとフロントグリルから組立していきます.
今回のトヨタ・FJクルーザーのキットでは,窓ガラスの透明部分と縁(黒い)部分を別パーツ化するという新しい方式が採用されており,より実車に近い色分けが再現されています.
これは塗装派の方にとっても塗り分け時のマスキング作業が不要になるためとても良い分割方式だと思います.
フロントガラスの縁はシールを使用して色分けします.
このセロハンテープのような質感のシールを貼るのが筆者は大の苦手で,変なところに勝手に張り付いたりして何度も剥がしやり直す始末.
また,ピンセットがないと綺麗に張るのは厳しいと思います.
シールをカッターで4分割してから貼る方法がオススメです.
ボディーに窓ガラスを組みました.
窓枠の色分けが良いアクセントになっています.
フロントグリルはこんな感じです.
トヨタのロゴ部分はシールで再現しています.
ボディー上面のパーツを組みました.こちらも素晴らしい光沢です(^_^)
側面にはシルバーのドアノブ,内部にはルームミラーを組み付けます.
タイヤ・ホイールの組立
タイヤはゴム製なのでホイールパーツに押し込んで組むだけです.
問題なのは軸のポリキャップで,これをホイールに組むのがとても難しかったです.
ポリキャップを作業台に起き,ホイールパーツを手で持って上から押し込むように組めば上手くいくと思います.
それではいよいよ,ここまで組んできたパーツを合体させていきましょう.
と,ちょっとその前に!!
こちらの画像のボーナスパーツであるルーフキャリアを組む予定の方は追加工が必要です.
具体的にはドリルでΦ1.5mmの穴を開けなければいけません.
ボディーパーツの裏側にはドリルで穴を開ける位置の目印がありますので,これに合わせて穴を開けます.
こんな感じでイエローのボディーパーツとホワイトの上部パーツを同時に貫通させます.
これで追加工は完了です.
ルーフキャリア付きで完成させたい方にとってこの穴開け作業は結構面倒ですね.
しかも,初心者の方を含めドリルを持っていない方は強制的にルーフキャリア無しを選択することになるので,ルーフキャリアをボーナスパーツにしてしまった点は少し残念です.
シャーシにボディーパーツやタイヤを組むとトヨタ・FJクルーザーの姿が現れます.
リヤバンパーの組立
リヤバンパーの組立に使用するパーツです.
バックランプやストップランプは色付きのクリアーパーツです.
バンパーのウインカーなどはシールを貼って上からクリアパーツを重ねる構造です.
筆者がゲート処理をやり過ぎてしまったせいかハメ合いがユルユルでポロポロとれてしまい,仕方なく接着剤を使用しています.
クリアパーツのゲートを若干残るくらいに調整すれば上手くハマり,接着剤なしで組めるかと思います.
筆者の失敗編
筆者が失敗した作業なのでマネしないでください.
先ほどのポロポロ取れてしまうクリアーパーツの接着には流し込み接着剤を使用しました.
クリアパーツが曇らないよう角ギリギリから流し込んでいます.(画像の接着剤筆の先付近)
ランプの左側が接着剤を流し込んだ状態、右側は普通に組んだ状態です.
接着剤を流し込んだことで透明感が増し見栄えが格段に良くなったことから,
これは読者さんにも間違いなくオススメできるぞ!
と思っていました.
しかし,次の日このクリアーパーツは
真っ白に曇っていました・・・(T_T)
逃げ場のなくなった接着剤の蒸気が原因のようです.
クリアーパーツにおいて流し込み接着剤の使用は要注意です.
皆さんは筆者のような失敗をしないようお気を付けください.
以上,筆者の失敗編でした.
リヤバンパーやリヤゲートのパーツを組んだことで,後ろ姿も一気にカッコ良くなりました!
(この時はまだクリアーパーツの変色はありませんでした・・・)
ワイパー・サイドミラーの組立
サイドミラーもシルバー部分と黒部分が別パーツ化により色分けされています.
シールによる色分けよりも完成度が上がるのでこの方式はとても良いですね!(^^)!
組立がすこし難しかったのは3本のワイパーです.
ダボ穴が奥まった狭いところにあるため指が入りません.筆者はピンセットを使用して組みましたが,爪楊枝のような先が細い道具なら何でも大丈夫だと思います
サイドミラーのミラー部はシールで再現しています.程よく反射しており良い感じです.
ボーナスパーツのルーフキャリアを組まない方はこれにて完成となります!(^^)!
ボーナスパーツ:ルーフキャリアの組立
ここからはボーナスパーツ(作り込みたい方向けのパーツ)のルーフキャリアを組んでいきます.
前半でも解説しましたが,ドリルによる穴あけが必要です.また,接着剤も必要です.
事前にドリルで開けておいた穴にルーフキャリアの支柱を組みます.
ルーフキャリア自体は組立図を参考に接着剤で固定しています.
トヨタ・FJクルーザー完成!
無塗装かつ完全素組のトヨタ・FJクルーザーが完成しました.
スミ入れなど一切手を入れていないので誰が作っても同じ完成度になります.
それでは,どうぞご覧下さい(^^)/
とても素組とは思えない程の完成度です.
実写と遜色ない色分けとやディテール,光沢は文句のつけようがありません.
内装も近づけばしっかり見えます.
タイヤとホイールも素晴らしい再現度です.
トヨタ・FJクルーザー製作レビューまとめ
フジミ模型の車NEXTシリーズ:FJクルーザー(ツートーンイエロー)を製作してきました.
筆者が期待していた通り無塗装でも見応え十分なトヨタ・FJクルーザーが完成しとても満足しています.
組立も簡単でサクサクと形になっていくため,楽しい時間を過ごすことができました.
製作レビューとしての総評は以下の通りです.
好評価
- 無塗装でも満足の色分け完成度が素晴らしく満足
- シールを多用せずパーツで色分けしている点が好評化
- パーツの合いは良好
- ホイールの再現度が高い
気になった点
- バリが一部ある ただし組立不能レベルではなく組めば見えない
- 完全に接着剤なしで誰でも簡単に組める分けではない
- 接着剤を使用した箇所が複数ある
問題点
- 車軸のナックルケースパーツが破損しやすい・・・ナックルケースパーツを破損させてしまった場合,車軸が固定できずタイヤが外れてしまう.これではまともに飾れないため接着剤がないと絶望的(*_*)
こんな感じで改善して欲しい部分はあるものの,スナップフィット式による組立易さ,パーツ分割による実車に近い色分け再現が素晴らしく,総合的に見ればとても良いキットだと感じました.
車NEXTシリーズからは様々なカラーのトヨタ・FJクルーザーが発売されていますので,ぜひ皆さんにもお気に入りカラーを手に取り,気軽に製作を楽しんでいただければと思います!(^^)!
必要工具等は以下を参考にしてみてください.
車プラモデル製作が初めての方
- 必要工具:ニッパー,流し込み接着剤
- 補足:窓枠シールは扱いが難しくピンセット必須なのでやらなくてもOK.
車軸が壊れる可能性高いので念のため接着剤を用意しましょう.
丁寧に仕上げたい完成度重視の方
- 必要工具:ニッパー,デザインナイフ,スポンジヤスリ,ピンセット,流し込み接着剤
- 補足:アンダーゲートがニッパーだけでは綺麗に切断できないため,デザインナイフで仕上げましょう.局面のゲートはスポンジヤスリを使用すると綺麗に処理できます.
以上,フジミ模型車NEXTシリーズ:トヨタ・FJクルーザー(ツートーンイエロー)の製作レビューでした.
更新:スミ入れ作業を追加した完成品の記事を追加いたしました.
コメント
[…] 前回の製作記で紹介した完成品に対してスミ入れ作業を追加しています. […]