F-toysから発売された「世界の艦船キット2」について製作レビューします.
世界の艦船キットシリーズの第二弾となります.
世界の艦船キットシリーズ
世界の艦船キット2のパッケージ(箱絵)を飾るのはアメリカ海軍の航空母艦:ヨークタウン級!
以前発売された第一弾である世界の艦船キットは戦艦が主にラインナップされていましたが,今回発売された世界の艦船キット2では全てのラインナップが航空母艦となっています.
これまでの艦船キットシリーズは旧日本海軍の軍艦ばかりでしたが,世界の艦船キットシリーズからはアメリカ海軍の軍艦が新金型で登場しており目が離せません.
もちろん,アメリカ海軍の艦載機も付属します.
世界の艦船キット2のラインナップは上から順番に
- ヨークタウン
- エンタープライズ
- ホーネット
- 蒼龍
- 飛龍
- 雲龍
の6隻で,それぞれにフルハルverと洋上verがあります.
つまりキットは合計12種類!
「ん?12種類?」
・・・
12種類であることを知った筆者はショックを受けました.
なぜなら,大人(箱)買いしても全て揃わないからです…(1箱10セット入り)
これはフルハルverで揃えたい方や洋上verで揃えたい方にとっては大打撃です.筆者はフルハル派なのですが,幸いなことにフルハルverのアメリカ海軍空母全てが入っており大打撃を避けることが出来ました.
F-toysさん,今まで通り箱買いで全て揃うようにしていただけないでしょうか?
箱買いして目当ての艦船がなかったら,Amazonやヤフオク等で単品購入するしかありません.
しかも,単品は転売等の影響で少し割高・・・
ちなみに日本海軍空母の飛龍と蒼龍は過去の艦船キットシリーズで発売されていますので,持っている方もいると思います.筆者もその一人です.
フルハルverは艦名付き台座,洋上verは海面プレートが付属するためどちらも魅力的.
しかも,アメリカ海軍空母はフルハルverと洋上verで船体塗装が異なります.
箱買いで全て揃わないという落胆はありましたが,期待の新金型アメリカ空母を中心に製作レビューしていきたいと思います!
No.1:ヨークタウン
最初に組立するのはヨークタウンです.
太平洋戦争が開始した時から運用されており,赤城や加賀,飛龍,蒼龍といった日本空母のライバル的存在です.
説明書にはヨークタウンの歴史が書かれておりこれを読むのが意外と楽しかったり.
各ランナー
全パーツを並べてみましたが空母なので部品数は少ないです.
ただし,パーツのサイズはゴマ粒並みととても小さいです.
飛行甲板はかなり明るめの塗装で,ラインが綺麗に塗装されています.
新金型のアメリカ海軍機です.
F4F,SBD,TBDの三機種がそれぞれ三機付属します.
機体裏側もしっかり塗装されています.
組立
船体と艦底パーツは大きな隙間もなくぴったりハマります.
組立において最初の鬼門となる推進系のスクリューパーツ.
筆者はこれまでに数多くのスクリューパーツを破壊してきた経験値を持つため,今回は上手く組めるはず.
ランナーから切断したパーツを組んだ様子です.
どこかおかしくありませんか?
実はこれ以上パーツを奥に押し込めないんです.
どんなに押しても奥までハマらず画像の状態が限界でした.
指の爪やピンセット刃なしニッパーなど筆者の持ちうるスキルや工具を使用しましたがダメでした.
そして最後はお約束のパワー任せにより破壊(スクリュー軸が折れる)という結果になりました.
つまり加工なしで組むことは不可能.
(奥までハマらない理由:ダボ穴に対してスクリューパーツのダボが塗装で太ったから)
少しでも組みやすくするためダボの角を切断しました.
それでもこれが限界でした.
スクリューパーツは全部で4個あるのですが4箇所全部ダボ穴にハマりません.
食玩だとしても組めないというのはあまりにも酷いのではないでしょうか.
これは本当に残念です・・・
ダボの塗装を剥がしたりヤスリで削り薄くする方法もありましたが,初心者の方にそんなめんどくさい方法はオススメできない.
という訳で最もお手軽な方法として
ダボの切断
をオススメします.必要な工具はニッパーだけなのでお手軽です.
画像くらいまでダボを切断すれば良いと思います.
ダボなしで接着した状態です.
違和感はほとんどありません.
ただ,ダボがないので接着剤で艦底に密着させる必要があります.
甲板の構造物や兵装などを接着します.
兵装は先ほどのスクリューパーツと異なりダボとダボ穴のハメ合いがスカスカです(ダボよりもダボ穴が大きいため).
逆さまにすると脱落するので接着を忘れずに.
正直スクリューパーツもこれくらいスカスカの方が組みやすいと思いました.
飛行甲板を接着したら艦橋やアンテナパーツを接着します.
艦橋パーツのダボのハメ合いがスクリューパーツ同様キツいのでニッパーでダボを半分切断しています.
これでエンタープライズの組立完了です.
新金型のアメリカ海軍機ですがよく目を凝らさないと機種の判別ができません.
主翼の大きさが判別の目安になるかと.
どれくらい小さいかというと画像の通りです.
アメリカの国籍マークである星が円中心からずれているのは少し残念ですが,これを水転写デカールにされるととてもめんどくさいので塗装再現で良かったと思います.
アメリカ海軍機をエンタープライズの飛行甲板に並べれば完成です.
多色で色分けされているためかとても完成度が高く感じます.
艦橋や舷側の黒ラインが良いアクセントになっています.
フルハルに付属する艦名付き台座過去シリーズから変わっていませんがは色分け&デザイン共にGOOD!
アメリカ海軍機の配置は筆者オリジナルですので,史実通りに配置したい方は真似をしないようご注意下さい.
またアメリカ海軍機を飛行甲板に接着するのがとても難しいです.
流し込み接着剤は使用できないため,機体裏面に中粘土接着剤を少し多めに付け接着しています.
組立時間はTVを見ながらのだらだら作業で2時間といったところ.
組立では艦底のスクリューパーツが全く組めず四苦八苦しましたが,完成度にはとても満足です.
No.2:ホーネット
次に製作するのは「ホーネット」.
爆撃機を発艦させ日本本土を初空襲した「ドゥーリットル作戦」で有名な空母です.
艦底パーツに不良を発見.ダボが少し折れています.変形による白化も確認できます.
このままではダボとダボ穴が合わず上手く組めないので,切断してしまいましょう.
ダボは数ヵ所あるので一ヵ所なくても問題ありません.
問題のスクリューパーツですが,やはりホーネットも組めませんでした.
艦底パーツはヨークタウン・ホーネット・エンタープライズで共通でしょうからこうなる予感はしていました.
ダボを切断して対処することをオススメします.
ホーネットのキットのみに爆撃機B-25ミッチェルが付属します.
ホーネットが完成しました.
木甲板色のせいか日本空母のように見えるのは筆者だけでしょうか?
飛行甲板や船体の塗装がとても綺麗ですね.特に艦橋や舷側の迷彩塗装がとてもかっこいいです.
艦載機はこんな感じに配置しました.
爆撃機B-25は主翼が飛行甲板からはみ出ています.爆撃機を空母に搭載するなんて本当にすごい発想をしたものです.
No.3:エンタープライズ
最後に製作するヨークタウン級は灰色の亡霊「エンタープライズ」です.
そもそもヨークタウン級は太平洋戦争が開始した時から運用されており,赤城や加賀,飛龍,蒼龍といった日本空母のライバル的存在です.
初期から戦闘に参加している空母のほとんどが沈没したにも関わらず,終戦まで戦い抜いた空母としてとても有名.
また、映画「永遠のゼロ」のモチーフとなったパイロットが特攻した空母でもあります.
史実では爆装したゼロ戦が低空飛行でギリギリまでエンタープライズに接近,対空砲火をかいくぐりながら急上昇し最後は背面飛行からの急降下で弱点のエレベーターに突入したそうです.
この特攻によりエンタープライズを終戦まで行動不能する戦果を挙げました.
しかもアメリカ海軍はとてつもない操縦技術で正規空母に致命傷を与えた特攻機を称賛し,エレベーター下から発見された特攻隊員の遺体を丁重に葬ったというから驚きです.
話がかなりそれてしまいましたが,この有名なエンタープライズが艦船キットシリーズに登場したことが筆者にとってはとても感激です.(T_T)
なお,製作はヨークタウン,ホーネットと全く同じでしたので割愛します.
この重厚感あふれる色合いが非常に良い.すごく強そうな雰囲気があります.
ヨークタウン級のなかでもこの色が一番かっこいいと筆者的に思います.
ヨークタウン級3姉妹の完成です.
艦形状はほとんど同じですが,塗装や艦載機でそれぞれの特徴を上手く再現出来ていると思います.
食玩とは思えないクオリティだなと改めて感じました.
No.6:雲龍
日本航空母艦雲龍型一番艦「雲龍」の組立です.
全パーツはこんな感じです.
ヨークタウン級で苦戦した艦底のスクリューパーツですが,なんと雲龍は全く苦戦することなく組立が完了しました(゜o゜)
アメリカ空母で苦戦したスクリューパーツでしたが,雲龍はダボ穴にすっぽりハマりました.
過去の艦船キットシリーズの中で最も組みやすいと感じたほどです.
もはやこれはヨークタウン級のスクリューパーツとは全くの別物.
むしろ少し隙間が出来るほどダボ穴が広いので,接着剤しないと脱落する可能性すらあります.注意しましょう.
なぜ新金型のヨークタウン級も同様のダボ穴にしなかったのか…
組立てるとあまり見えませんが,甲板のカッターボートの塗装は見事ですね.手作業による筆塗だと思うので,作業者の技量で左右されそうです.
特に筆塗部分は当たりハズレが多いです.
船体完成.
艦橋やマストのパーツを接着していきます.
マストを立てた状態で組みました.
発艦状態を再現したい方は,マストを水平に寝かせて接着するといいでしょう.
艦載機は太平洋戦争末期の紫電改、彩雲、流星、そして特攻機の桜花がそれぞれ3機づつ付属します.
桜花は小さすぎてピンセットがないと把持できません.
艦載機を接着し航空母艦:雲龍の完成です.
飛行甲板の迷彩塗装が見事に再現されており感動しました.
どうやって塗装したんですかね.完璧な再現度です.
雲龍型は飛行甲板の迷彩塗装がネックでなかなか1/700スケールを製作する勇気が出ません.
そんな筆者にとってはとてもありがたい商品です.
ヨークタウン級と雲龍が完成したので並べてみました.
雲龍が小さく見える・・・
全長で比較するとその差は歴然ですね.
若干,飛行甲板の幅は雲龍が広い?
ヨークタウン級は艦形状がスッキリしていて,合理的なアメリカらしい設計だなと感じます.
建造や運用が効率的に出来そうです.
逆に日本の雲龍は様々な試行錯誤があってこれもまたすごく良い.
戦争末期の艦載機を搭載しているのも大きな特徴です.
まとめ
「世界の艦船キット2」を製作レビューしました.
新金型のヨークタウン級ということで期待していましたが,完成度は文句のつけようもなく素晴らしかったです.
フルハルタイプはスクリューパーツが組めないという問題点はありましたが,洋上タイプであれば全く関係ないので問題なく組めるかと思います.
日本空母の雲龍は迷彩塗装が見事に再現されており感動の出来栄え.
なお,飛龍と蒼龍は過去に発売されたキットを再生産したようなので今回は割愛しています.
F-toysの食玩シリーズでも高い人気を誇る艦船キットシリーズですが,世界の艦船キットシリーズもやはり期待を裏切らない完成度.
買って損はないと思います!
今後のラインナップを期待せずにはいられません.
以上,世界の艦船キット2について製作レビューでした.
塗装不要で製作可能な艦船模型に興味がある方は以下の記事も参考になるかと思います.
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