2020年2月より童友社から発売されている戦闘機プラモデル:凄!シリーズ第6弾の「F-14Aトムキャット」を製作レビューします.
前回の記事でキットレビューしています.まだ読まれてない方やトムキャットについてあまりよく知らない方はぜひご覧下さい.
結論
- 無塗装ではパッケージのようなF-14Aの完成品にはならない(F-14Dに近い色分けになる)
- 先行量産のA型(F-14A)だけでなく後期D型(F-14D)の製作が可能
- 組立においては優秀なキットなので,無塗装でトムキャットを製作したい方にはオススメ
童友社 凄!プラモデル 1/72「F-14Aトムキャット」の組立
それでは,F-14A トムキャットの組立を開始していきます.
コックピットの組立
コックピットの組立に使用する全パーツです.
計器パネルの部分は全て黒色成型されています.
スナップフィット式ではないので接着剤がないとポロポロとれてしまいます.
コックピットの組立では水転写デカールの貼り付けが作業があります.
サイドの計器類は1枚のデカールですが,正面の計器類は複数枚のデカールを貼り付けます.
A~Vのデカール全てが計器パネル用のデカールです.
デカールはかなり細かく,扱いに慣れていないと上手く貼り付けることが出来ません.
特に正面パネルのデカールは貼り付け難易度が高い割に完成後はほとんど見えなくなるので,初めて戦闘機プラモデルを製作する方は飛ばしてもいいと思います.
デカール貼り付け準備をします
使用する工具は以下の3点.
- ピンセット
- 綿棒
- マークセッター
パーツには凹凸がたくさんあるため,マークセッターがないと細かい部分の水転写デカールを綺麗に貼るのは難しいと思います.
計器類デカールの貼り付け完了です.
成型色が黒なので違和感はほとんど無く,見栄えはかなり良いです.
貼り付けは大変ですが,水転写デカールによる計器類の再現度の高さに筆者は満足です.
操縦席を接着すればコックピットの完成です.
ほとんどのパーツが黒一色なので,可能な方は筆塗りでアクセントをつけ,さらに見栄をが良くしても良いと思います.
機首の組立
機首パーツの合いは良好で,隙間の発生はほとんどありません.
ただ,接着時に少し指で押さえつける必要はあります.
穴開け作業
作業を進めていると説明書に穴開け指示が記載してあることに気付きました.
正直これは初心者の方に対して不親切だなと感じました.
ドリルという工具が必要なのに説明書にはドリルが必要とは記載されていませんし,ドリル径も不明です.
トムキャットにも色々と種類があるので,それら派生型に金型を流用する意図があったのかは分かりませんが,凄!プラモデルシリーズを誰でも組める戦闘機プラモデルとするのであれば,やはり最初から穴が開いた金型にした方が良いと思いました.
と,文句を言ってもトムキャットの金型が変わることはないので穴開け作業をしていきます.
まずは,なぜ穴を開けるのか?理由を知るため説明書を読み進めます.
どうやらAIM-54 フェニックスを搭載するためのパイロンを組むようです.
筆者がいつもオススメしているドリルで作業していきます.
ドリル径はφ0.9mmを使用します.
パーツ裏側には穴位置の凹みがあるので,それに合わせて穴を開けていきます.
穴開け完了です.
穴径が小さいのでほとんど目立ちません.
エアインテークの組立
エアインテークは内部のエンジンファンまで再現されています.
パーツの合いは良好でスムーズに組めました.
胴体・主翼(可変翼)の組立
トムキャットの最も有名な特徴である可変翼を組立していきます.
画像を見ると可変翼を動かすギミックがある割にパーツ数は少なめです.
1枚目画像の黒色成型されたパーツですが,裏側に大きめのバリが発生していました.(ピンセット先端付近)
このバリがあると干渉して上手く組めなため,2枚目画像のように処理しましょう.
可変翼のギミック
可変翼を胴体に組みました.
可変ギミックを確認すると左右別々に動くようです.
根本にはノッチが4箇所ほどあり,角度調整が容易にできるよう配慮されています.
可変翼を組んだら表裏に分割された胴体を接着します.
特に手を加えなくても合わせ目には大きな段差や隙間もなく綺麗に接着できました.
胴体に機首を組みます.
各プラモデルメーカーが発売しているトムキャットの組立においては,ほとんどがこのような機首を差し込む組む方式を採用しています.
そこで問題となるのが機首と胴体の合わせ目で発生する合わせ目です.
前回製作したF-toysのトムキャットでも合わせ目に大きな段差が発生し,かなり目立ってしまいました.
ちなみに凄!シリーズのトムキャットはというと・・・
ビックリするくらいピッタリでした!
画像は拡大していますが,肉眼だと合わせ目はほとんど目立ちません.
童友社のトムキャットはかなり優秀なようです.
微少な合わせ目の隙間はありますが,合わせ目の段差を機体のパネルラインとしている点も素晴らしいです.
裏側に関してはどこが合わせ目か分からないほど綺麗に接着出来ます.
トムキャットの全貌が見えてきました.
可変翼はスムーズに動きますが,思っていたよりも固めなので少し力が必要です.(可変翼にデコピンしても少ししか動かない感じ)
動かした感覚として,内部にあるノッチはあまり機能していないように感じます.
エンジンノズルの組立
エンジンノズルの組立です.
先行量産のF-14Aに搭載されていた初期のエンジンはパワー不足だったようで,後に別のエンジンへ更新しています.
画像のパーツは初期エンジンのノズルパーツとなります.
ちなみにランナーには新型エンジンを搭載したF-14D(D型)のエンジンノズルもあります.
内部のディテールはかなり再現度が高いです.
エンジンノズルは巡航時とアフターバーナー時のどちらかを選択出来ます.
画像左側:アフターバーナー
画像右側:巡航
筆者はアフターバーナーを選択しました.
水平・垂直尾翼の組立
水平・垂直尾翼の組立です.
水平尾翼は白色成型されています.
尾翼パーツは一体成型されているため,ゲート処理をしたらすぐに胴体へ接着できます.
ランディングギアの組立
画像はランディングギアの組立に使用する全パーツです.
フロントギアは一体成型でとても組みやすくなっています.
また,脚はホワイト,タイヤはブラックと色分けされています.
メインギアは細かいパーツが多く,ピンセット無しで組むのはかなり大変だと思います.
ただし,組立難易度が一般的な戦闘機プラモデルと同等というだけで,今回のトムキャットが一段と難しいわけではありません.
AIM-54 フェニックス用パイロン
AIM-54 フェニックスを搭載するためのパイロンです.
これを取り付けるため胴体の穴開け加工が必要でした.
AIM-54 フェニックスのパイロンを胴体へ接着しました.
バリが干渉して上手く接着できなかったため,バリ処理と仮組を入念に行っています.
上手く組めないときは何処が干渉しているか確認しましょう.
AIM-54 フェニックス・増槽の組立
AIM-54 フェニックスのパーツは2分割されています.
組むのはとても簡単で,段差や隙間もほとんどありません.
胴体に組むとこんな感じになります.
AIM-54 フェニックス6発の満載ではありませんが,筆者としては満足です.
AIM-7 スパロー・AIM-9 サイドワインダー・パイロン・ランチャー
左右の主翼根本にあるパイロンとその側面にあるレールランチャーのパーツです.
パイロンにAIM-7 スパロー,レールランチャーにAIM-9 サイドワインダーを組みます.
ミサイルは全て一体成型です.
キャノピー,赤外線探索追跡装置
キャノピーパーツと機首下に搭載されている赤外線探索追跡装置のパーツです.
黒色のパーツをキャノピーの内側に組むことで色分けしています.
完全素組のF-14A トムキャット完成
完全素組のF-14A トムキャットが完成しました.
パーツごとに色分けされているので,無塗装でもリアル感のあるトムキャットになったと思います.
ただ,パッケージのような完成イメージとはかなり異なります.
キャノピーの透明度はかなり良好で,操縦席の計器類もしっかり見えます.
主翼付け根や尾翼,エンジンノズルなどの色分けは見事に再現されています.
機体裏に関してはパッケージの完成品のような色分けはされていません.
機首のギア格納庫やAIM-52 フェニックスのパイロンは色分けされています.
メインギアのタイヤとホイールがしっかり色分けされている点は素晴らしいです.
機首の側面の細かいディテールまでしっかり再現されています.
いつの間にか折れて紛失する部分でもあるので注意が必要です.
まとめ
凄!プラモデルの最新キット,しかも人気のトムキャットとだけあってかなり期待していたのですが,実際に製作してみるとイメージしてたパッケージのような完成品にはならないことが判明しました.
パッケージのような完成度に近づけるためもう少し色分けを増やして欲しかったですね.例えば機首の先端を白パーツ化,主翼や垂直尾翼の一部を白パーツ化などです.
パッケージのトムキャットをイメージしていた方は少し落胆するかもしれませんし,ある程度色分けされてあればOKという方は満足できるような評価の分かれるキットだと思います.
ちなみに筆者はまだ満足はできていませんので,ちょっと手を加えていく予定です.
ただ,他メーカーのトムキャットプラモデルを塗装無しで組むことに比べれば,童友社凄!プラモデルのトムキャットは無塗装素組でも飾れるレベルの完成度になることは間違いないでしょう.
次に組立に関してですが,とても組みやすい良キットだと思います.
細かく再現されたパネルラインのディテールは素晴らしく,分割部分の合わせ目についてもよく考えられています.
パーツの合いも良好で,基本的にゲート処理するだけでサクサク組立できる点が素晴らしかったです.
良い点
- パーツごとに色分けされている(塗装派の方も色分けしやすい)
- 部品点数が少ない
- 組立がスムーズ
- パネルラインのディテール再現が見事
改善して欲しい点
- 色分けパーツを増やして欲しい
- F-14AとF-14Dの選択式にして欲しい(デカールも付属させて欲しい)
- 機体のグレー成型色をもっと実機に近づけて欲しい
以上,塗装不要の戦闘機プラモデル!童友社 1/72 凄プラモデルシリーズ 第6弾「F-14Aトムキャット」の製作レビューでした.
筆者が少し手を加え簡単フィニッシュで仕上げたトムキャット製作レビューの続編記事はこちらです.
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コメント
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