本記事では2014年11月に発売された青島文化教材(AOSHIMA)の1/24 プリペイントモデルシリーズNo.36「トヨタ 86」を製作レビューします.
このキットは既に塗装されているので,以下のような方にオススメです.
- 初めて車プラモデルを製作する方
- 車プラモデルを塗装せずに組みたい筆者のような方
- 塗装できる環境がない方
工具も基本的なものがあれば十分で,台所やテレビの前など好きな場所で組めると思います.
また,工具ごと箱にしまってしまえば場所移動もカンタンです.
手軽に車模型を作りたい方の参考になれば幸いです.
キット
今回使用するキット「トヨタ 86」は別記事でキットレビューしています.
ご参考にどうぞ(^^)
工具&接着剤
今回の製作で使用した工具の一覧です.
・薄刃ニッパー
・アルティメットニッパー (クリアパーツは切断しないよう注意してください.刃が欠けます.)
・デザインナイフ
・ピンセット
・流し込み接着剤
・中粘度接着剤
あると便利
・マークソフター(デカールの接着で使用)
・埃とりブラシ
(注意:塗装済みプラモデルなのでヤスリは使用しません.)
組立前の注意点
まず始めに組立前の注意点を!
組立を開始したところ,説明書に部品のランナー記号が記載されていないことに気づきました.記載されているのは部品番号だけです.
「ん?どのランナーから部品を見つければいいの?もしや・・・」
筆者がこれまで製作してきたプラモデルは「Aランナーの3番パーツ,Bランナーの2番パーツ」といった感じに,まずはランナーを見つけてからパーツ番号を探すのが一般的でした.
それがなんと今回のトヨタ86キットはランナー区分がありません.そのため,全てのランナーから部品を探す必要があります.
部品番号は全て通し番号なので画像のように後半のホイールになると「98番」という番号になってます.ガンプラではまず見ない数字です.
結論として、番号で探すよりも部品の形や色を参考に探した方が早いと思います.
以上、注意点でした。
組立
それでは,組立を開始していきます!
フロントナックル&ステアリング
ブレーキパッド、サスペンションなどのパーツが集まったナックルケースです.
さっそくナックルパーツのバリを発見しました.
画像だと分かりづらいですが,ピンセットの先が示す部分にバリがあります.
画像の左が「バリ無し」で、右が「バリあり」で組んだ状態です.右の「バリあり」はバリが邪魔をして黒パーツとシルバーパーツの間に隙間が発生しています。
しかも接着面にあるため,処理をしないと上手く接着できません.
バリを知らない方はまずここで苦戦しそうです.
悪さをするバリはデザインナイフで処理します.接着面が平らになるまで切断してください.
大きいバリではないので軽い力で切断できます.
パーツ同士がしっかり密着するようになったら接着してOKです.
サスペンションの高さは画像のパーツで調整します.
つまり車高が変化します.
パーツを上に接着するとロータイプ.
パーツを下に接着するとノーマルタイプ.
今回はノーマルタイプを選択しました.
左右のナックルを車体に組み付け,リレーロッドで連結します.
これにより左右のステアリングが連動して動くようになります.
ガタのないスムーズな動作をするので,遊んでみましょう(^_^)
接着はしないように注意してください.
ミッション
ミッションパーツです.
ディテールが細かく再現されているわりに,パーツ数が少ないのは嬉しいところです.
黒の部分塗装がワンポイントとなりリアルに仕上がります.
組み立てたミッションは車体下部に接着します.
リアナックル&サスペンション
リアのナックルやサスペンション、プロペラシャフト、リアディファレンシャルなどのパーツです。
またもナックルケースにバリを発見.
接着面なので設計上は平らなはず.しかし,実際にはバリが「ボコンっ」と飛び出ています.
バリがある状態で仮組すると大きい隙間ができますが,バリを除去すれば部品はピッタリ密着します.
リアナックルを本体に組み付けます.
そして,プロペラシャフトやリアディファレンシャルなどを重ねるように接着します.
これで一気に密度が高くなりかっこよくなります.
アンダーカバー&マフラー
エンジン下のアンダーカバー,エンジンの排気ガス通るエキゾーストパイプ,消音効果のあるマフラー(サイレンサー)などのパーツです.
マフラーはゲートを切断すると下地であるプラスチック樹脂(白色)が見えてしまいます.
エキゾーストパイプは黒色のプラスチック樹脂が見えています.
今回はこのまま組んでいきますが,塗料を持っている方はゲート切断面だけ筆や爪楊枝で塗装するのもありだと思います.
エキゾーストパイプとマフラーを接着しました.
エキゾーストパイプはグネグネしており上手く接着できるか不安でしたが,実際に組むとパーツ同士の合いはバッチリでストレスなく接着出来ました.
残るはエンジン下のアンダーカバーです.
仮組したところアンダーカバーパーツに反りが発生しており,車体との間に隙間ができていました.
この場合は,画像のように洗濯ばさみなどでおさえてから接着すると隙間の発生を防止できます.
内装その1
運転席ドアと後部座席シート、ミッションカバーのパーツです.
シートを接着したことで内装がより色鮮やかになってきました.
内装その2
運転席の内装パーツです.
右ハンドルや左ハンドル,オートマやマニュアルなど好みに合わせて自由に選択できます.
今回は右ハンドルのマニュアル仕様を選択しています.
組立を始める前にデカールの貼り付け作業を行います.
内装を組んだ後にデーカルを貼るのは大変なので,組む前に貼ってしまいましょう.
デカールは台紙ごと細かく切り分けています.
デカールが台紙の上で滑るようになったら台紙ごとパーツの上に持っていき,滑らせるようにして貼り付けます.
位置をずらしたいときは水滴をたらして滑りやすくしてから行います.
貼り終わるとこんな感じです.
水分は綿棒で吸い取りました.
出来れば1時間ほど乾かしてから組立作業を行いたいところですが,我慢できない人はデカールに触れないよう慎重に作業してください.
これで内装は完成です.
これほどのクオリティになるとは思いませんでした.素晴らしい!
サイドガラス、ドアノブ
ボディーに接着するサイドガラスとドアノブです.
ちなみにドアノブのゲートはドアノブ裏の凹みにあるため,ニッパーでは切断できません.
おまけにパーツが小さくて保持するのも一苦労なので,デザインナイフで切断するのは危険極まりないです.
筆者は挑戦して指を切りそうになったので途中で断念しました.
幸いにも組めば見えにくい部分ですので,少しゲートは残りますが気にせず組むことをオススメします.
組み終わるとこんな感じです.
ドアノブのゲートがどこにあるかはパッと見てもわかりませんよね?
問題ないでしょう.
フロント&リアガラス
フロントガラスとリアガラスは一体パーツとなっています.
ルームミラーの接着やデカールの貼り付けを行います.
ルームミラーのベースとトップシェード(青い部分)のデカールが少し干渉しましたが,特に外観を損ねる程ではないので問題ないでしょう.
フロントガラスとリアガラスをボディーに接着しました.
リアガラスとボディの間に隙間が発生していますが,他のパーツとの組み合わせで隙間がなくなることもあるので現状は様子を見ます.
フロントライト&フロントワイパー
フロントのライトおよびワイパーを組み立てていきます.
ワイパーパーツが爪楊枝よりも細いので,ニッパーでゲートを処理する際は折らないよう注意してください.
フロントライトは日本仕様と外国仕様があります.今回は日本仕様を選択しています.
パッと見はあまり変化していませんが,フロントガラスの根元にワイパーが追加されています.
フロントライトがかっこいいです.
フロントバンパー
フロントバンパーを組み立てます.
フォグランプとウインカー付近はクリアーパーツ多めです.
左はクリアパーツを接着した状態,右はクリアパーツなしの状態です.
個人的にクリアパーツなしの方が輝いててかっこいいなと思いました.
パーツの合いはバッチリです.
ただ,フォグランプのクリアパーツが少し濁ってしまいました.
これは流し込み接着剤の量が多かったためです.皆さんは注意してください.
バンパーの光沢は素晴らしいの一言につきます.
組み立てたバンパーをボディに接着します.
サイドミラーとリアバンパー
サイドミラーとリアバンパーのパーツです.
サイドミラーを組み立ててボディに接着するのですが,流し込み接着剤(Mr.セメントS)だけでは難しいです.
そのため,ここでは中粘度接着剤(タミヤセメント)を使用します.
サイドミラーの接着面に先塗りし,ボディに接着してください.その後,流し込み接着剤を流し込めばより強固に接着されます.
説明書通りにリアバンパーをボディへ接着しました.
ですが、皆さん! まだリアバンパーは接着しないでください(^_^;)
この後,ボディーの前後を広げて車体にはめ込むんですが,高確率で「バキバキ」という嫌な音と共にリアバンパーの接着が剥がれます.
なので皆さんには,車体にボディーをはめてからリアバンパーを接着することを推奨します.
車体にボディがついに合体しました.
ホイール&タイヤ
ホイールにタイヤをはめるだけのカンタンな組立です.
ホイールのゲートを切断すると下地(白色)が見えてしまいますが,車体に組み付ければほとんど見えなくなるので問題ありません.
タイヤには回転方向があるのでよく確認しましょう。「Rotation→」の模様が目印です.
ボンネット&ヘッドライトなど
ついに最後のパーツです.
クリアーパーツが多いのでゲート処理は慎重に行いましょう.
ゲートは複数回かけて薄切りするように切断すると上手くいきます.
ヘッドライトなどに接着する場合,流し込み接着は少量ずつ流し込みます.大量に流し込むとクリアーパーツが白化するので注意です.
これで全ての組立工程が完了しました.
ステアリングの方向を変えたり,走らせたりして少し楽しんでみてください(^^)d
ただ生卵より壊れやすいので取り扱いは慎重に.
デカール
いよいよ最終仕上げのデカール貼りです.
画像を見ると数多くのデカールが残っており「めんどくさそう~」と思った方,安心してください.
ほとんど使いません.
日本仕様や海外仕様、車ナンバーなど選択肢が豊富なためデカールが多くなっているのです.
水転写デカールなので水に漬け、台紙上で滑るようになったらピンセットでボディに貼り付けていきます.
この時,マークソフタでデカールの接着面を撫でておくとしっかり密着してくれます.
後は乾燥を待ち、念願の完成となります!
完成
いかがでしたでしょうか?
一切塗装をしていないのにこの完成度は本当に驚きです.
誰が製作してもこの完成度になるんです.
まとめ
大きな問題もなくトヨタ86を完成させることができました.
以降,組立で感じたことを書いてみます.
良い点
・パーツが塗装済みなのでサクサク組める
・基本的な工具だけで組める
・ボディの塗装が綺麗かつ光沢仕上げ
・内装や裏側の塗り分けが細かい
いまいちな点
・一部のパーツにバリがある
・リア・ゲート上面のゲート跡が目立つ
・説明書通りに組むと上手く組めない
組立当初はバリが所々あり苦戦が予想されましたが,思いのほか後半はストレスなく組むことができたと思います.
車プラモデルは塗装がめんどくさそうで手を出してこなかったジャンルなんですが,今回のキットのおかげでとても楽しく車プラモデルを製作することが出来ました.
このプリペイントシリーズは他にもたくさんの車種が販売されているので,別のキットも製作したいと思いました(^_^)
結論:塗装できない(したくない)方には間違いなくオススメできるキット
以上、AOSHIMA(アオシマ) 1/24 プリペイントモデル「トヨタ 86」の製作レビューでした.
ご閲覧いただきありがとうございます.
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