この記事では「ピットロード 1/700 WPシリーズ 日本海軍 戦艦 大和 最終時 塗装済みプラモデル WP01」についてキットレビューします.
「戦艦大和を作ってみたいけど,塗装ができないんだよなぁ~.
せっかく作るならリアルに仕上げたいし,塗装済みのキットってないのかな?」
そんな方の疑問にお答えします.
また,
といった部分についても詳しく解説しています.
本記事の結論
- 組立だけ楽しみたい方にはピットロードの塗装済み戦艦大和がオススメ!
- 価格は約1万円!
キット紹介
今回キットレビューするのはピットロードから発売されている塗装済み戦艦大和のプラモデルです.
全てのパーツが全塗装されており,塗装不要でリアルに完成させることが可能なキットとなっています.
塗装不要の戦艦プラモデルは他社からも発売されており,中でもフジミ模型の艦NEXTシリーズは特に有名です.
フジミ模型の発売する艦NEXTシリーズはガンプラと同じスナップフィット式の多色成型パーツにより色分けを再現しているので,無塗装・接着剤不要で完成させることが出来ます.細かい色分けにシールを使用するのも特徴です.
フジミ模型の艦NEXTシリーズについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ(^^)/
↓
これに対して今回紹介するピットロードの塗装不要シリーズはというと…
ランナー状態で細部まで全塗装!という方法を採用しています.
塗装であれば先ほどの艦NEXTシリーズでは再現不可能な細かいパーツの色分けが可能であり,完成度の高さで大きなアドバンテージがあります.
筆者が実際にピットロードの塗装済み組立プラモデル「海上自衛隊:護衛艦いずも」を製作した際,その完成度の高さに感動した過去があります.(^_^)
ちなみにその時の製作レビュー記事がこちらです.興味のある方はぜひチェックしてみてください!
というわけで,今回紹介するのピットロード塗装済み戦艦大和も大いに期待できるキットなのではないかと確信を持ちつつ,実際にキットレビューを始めていきたいと思います.(^o^)/
キットの外観:パッケージ
こちらが今回紹介する塗装済み組立モデル:戦艦大和(最終時)のパッケージになります.
塗装済みパーツが見える透明パッケージとなっており,「一般的な戦艦プラモデルではない」ということが一目でわかります.
木甲板の色分けや,艦底の裏側をしっかり見せてくるあたり,ピットロードのセンスを感じます.
各パーツの紹介
では,実際にキットを開封し各パーツを細かく見ていきましょう.
甲板&艦底
パッケージの透明部分から見えていたのがこちらの甲板と艦底パーツです.
ランナーは付いておらず,頑丈なブリスターで保護されています.
違和感のない綺麗な木甲板色で塗装され,軍艦色の部分も細かく色分けされています.
拡大してみると若干のはみ出し部分もありますが,肉眼で見る分にはほとんど気づきません.
戦艦大和の大きな特徴の一つであるバルバスバウ!
かなり凝ったディテール再現も目を引きますね.
艦底パーツは全体的にムラなく綺麗に塗装されています.
鋼板継ぎ目のディテール表現がかなり強調されており,評価が別れる部分だと感じます.
ただ,筆者的にはこれくらいオーバーな表現の方が模型栄えするので好きですね(^_^)
船体
本キット,艦底パーツがあるのでフルハル模型だと思っていましたが,実はウォーターライン(洋上)仕様で製作することも可能でした.
画像はウォーターライン仕様のパーツと船体を仮組した状態です.
船体のディテールはこんな感じで,軍艦色の塗装はムラもなくとても綺麗です.
艦首&艦尾甲板
艦首と艦尾のパーツは滑り止め部分がシルバーで塗装されています.
筆者は過去の経験上この部分は軍艦色で塗装しており,それが正解だと思っていました.
しかし,シルバーを使うことで金属感がより強調されており,模型としての見栄え的には斬新的で面白い表現だなと感じました.
大部分が軍艦色の戦艦プラモデルですが,このシルバー塗装が良いアクセントになると思います.
Aパーツ:艦尾格納庫
艦尾の内部にある搭載機の格納庫もしっかり再現されています.
組むと見えなくなってしまうのが少し残念です(^_^;)
Bパーツ:艦橋基部
このドッシリとしたオーラのあるパーツは艦橋や煙突の基部にあたる部分です.
機関への給気口が高い精度で色分けされています.これだけで見栄えが格段に良くなるので称賛に値する部分です.
Cパーツ:艦橋&副砲基部パーツ
艦橋のパーツ群です.
全て個別に梱包してありキズに対する配慮が素晴らしいと感じました.
細部まで行き届いた塗り分けも必見です.
なんと救命浮標(きゅうめいふひょう)まで塗装で再現するという徹底さ.これは驚きました.
こういう細かい塗装は完成品の見栄えにかなり影響してくる部分なのでとても重要です.
D・Eパーツ:菊花紋章,煙突
こちらは煙突関係のパーツになります.
煙突の塗り分けは予想通り文句なしの出来です.
凹凸があって塗り分けが難しい部分なのですが,はみ出している部分は全く見当たりません.
特に驚いたのはこの艦首にある菊花紋章の塗装です.
数々の戦艦プラモデルを全塗装で完成させてきた経験を持つ筆者の技術を持ってしても,これほど綺麗に菊花紋章を塗り分けるのは難しいです.
まさに完璧な塗装!感動しました.
Fパーツ:舵,スクリュー
フルハル仕様の醍醐味が詰まったスクリューや舵といったパーツのランナーです.
光沢のあるゴールドで塗装されたスクリューが美しい・・・
艦尾クレーンのトラス構造を強調するスミ入れも完璧です.
Gパーツ:艦橋周辺部
このパーツは艦橋や煙突付近に集中配置された対空兵装が組付く部分となります.
こちらは艦橋裏側のパーツですがディテールが細かくとてもリアルです.
Hパーツ:マスト
煙突後方にあるマスト関係のパーツです.
戦艦大和のマストは他の戦艦と大きく異なる特徴の一つです.
マストパーツは黒色で色分けされています.
Jパーツ:12.7cm高角砲,探照灯
こちらは12.7cm高角砲や探照灯のランナーとなります.
探照灯は細かいディテールはありますが軍艦色のみで塗装されています.
ワンポイント塗装として鏡面部分がシルバーだったらなお良かったですね~
I・K・Lパーツ:46cm砲身
ついに戦艦大和のメイン兵装:46cm砲身のお出ましです.
防水布はクリーム色で塗装のはみ出しもなく綺麗に塗り分けられています.
なんと砲身の穴までしっかり再現されているではありませんか!( ゚Д゚)
バリやパーティングラインも見当たらず素晴らしいディテールです.
Mパーツ:ホーサリール,カッターボート
甲板に配置されている艤装関係のパーツです.
ホーサリールのロープ部分は画像のように白で色分けされています.
カッターボートは木甲板,さらには内側の白塗装までバッチリ塗り分けられています.
Nパーツ:艦載機,カタパルト
こちらは戦艦大和に搭載されている零式水上偵察機と零式観測機です.
細かい部分までしっかり塗装されておりディテールも申し分ありません.
窓枠は黒色で塗装されていますが,違和感はほとんどありません.
カタパルトもスミ入れによりリアルな仕上がりとなっています.
ただし,残念な点が一つあります.
以下の画像はピットロード販売サイトやAmazonで使用されている商品紹介画像ですが・・・
お気づきでしょうか?
紹介画像の文章に
「付属の零式水上偵察機と零式水上観測機は国籍マークも塗装済みです。」
と書かれています.
しかし,搭載機パーツには国籍マークが塗装されていませんでした・・・.したがって,この紹介画像は誤りだと思われます.
実際の製作では付属の水転写デカールを貼り付ける必要がありますのでご注意ください.
もともと塗装で再現する予定がトラブルか何かで没になったのかもしれませんが,正しい情報を発信していただきたいところです.
O・P・Qパーツ:応急舵
筆者の苦手な応急舵パーツの塗装もしっかり色分けされています.
S・Tパーツ:土嚢,25mm3連装機銃
土嚢パーツが白で塗装されています.また,25mm機銃の砲身先端が黒で塗装されている点もGOODです.
Rパーツ
機銃の台座パーツです.特に色分けはありません.
W160Cパーツ:46cm主砲塔,15.5cm副砲
46cm主砲の砲塔および15.5cm副砲のパーツです.
ちなみにこのランナーの46cm砲身は使用しないパーツですので塗り分けはありません.
15.5cm砲身の防水布はクリーム色で綺麗に塗り分けされています.
46cm主砲塔,15.5cm副砲塔ともにディテールが細かくとてもリアルだと思います.
NE01パーツ:12.7cm高角砲,25mm3連装機銃
対空兵装の12.7cm高角砲や25mm3連装機銃のランナーです.
とても細いパーツが多いので破損が気になるところですが,緩衝材で厳重に梱包されているので安心です.
25mm機銃の砲身までしっかり塗り分けされています.
塗料の粘度が高かったせいかバリのように塗料が残っているのは少し残念です.
Zパーツ:台座
フルハル仕様の完成品を飾る際に使用する台座パーツです.
ムラのないつや消しブラックとゴールドで綺麗に塗装されています.
水転写デカール
水転写デカールには軍艦旗や零式水上偵察機の日本国籍マーク,さらに海軍中将旗も付属します.
ちなみに戦艦大和最後の有賀艦長は死後二階級特進で海軍中将となっており,坊ノ岬沖海戦時は海軍大佐だったようです.
また,沖縄に向かった際,戦闘旗の下に掲げられたといわれる「非理法権天」と記載された幟も再現されているので,使用すればマストの見栄えはかなり良くなりそうです!
完成図
キットには原寸大の完成図(オールカラー)が付属します.
カラー印刷なので塗装指示や水転写デカールの貼付け指示がとても分かりやすいです.
実際に船体パーツと並べてみるとこんな感じです.
比較して見ると完成図よりも若干暗めの軍艦色で船体は塗装されているようです.
まとめ
ピットロードが発売する塗装済み組み立てモデルの戦艦大和をキットレビューしました.
率直な感想としてはランナーを見ているだけで楽しいキットだということです.
塗装不要の戦艦プラモデルシリーズの中で最も細かく色分けされており,高い完成度が期待できるキットだと感じました.
フジミ模型の艦NEXTシリーズのような色分けプラスチックでは再現できない細かい色分け(機銃の砲身,カッターボート,マスト,搭載機etc)が素晴らしく,ランナー状態での塗装が強みとして現れています.
逆に気になるのが価格.
今回のキットはフジミ模型の艦NEXTシリーズの戦艦大和との価格差はご覧の通り数倍以上です.
おそらく色分けに筆塗りやマスキングなど人件費がかかり高コストになったのだと思われます.
ただ,コストに見合う高精度な色分けという部分で他メーカーと大きな差別化をはかったのではないでしょうか.
なお,今回のキットは組立に接着剤が必要なため,組立にある程度慣れていないと塗装が溶けて見栄えが悪くなったり,パーツが取れたりするリスクがあります.
したがって,「どうしても全塗装済みの戦艦プラモデルが作りたい!」という方や,息抜きとして組立だけ楽しみたい中上級者の方に向いているキットかと思います.
まだ戦艦プラモデルを作ったことがない初心者の方には価格&組立難易度の面でフジミ模型:艦NEXTシリーズの戦艦大和がオススメかと思います.
興味のある方はぜひこちらの記事もご覧ください(^o^)/
いずれにしても我々ユーザー側からすると塗装不要の戦艦プラモデルの選択肢が多いに越したことはありません.
皆さんそれぞれの目的にあった戦艦プラモデルを選べるのは嬉しいところですね(^^♪
組立レビュー記事も予定しておりますので,製作についてはそちらで詳しく解説していきたいと思います.
以上,「ピットロード 1/700 WPシリーズ 日本海軍 戦艦 大和 最終時 塗装済みプラモデル WP01」のキットレビューでした.
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