本記事ではF-toys(エフトイズ・コンフェクト)の新商品「世界の艦船キット vol.4」についてキットレビュー&製作レビューします.
F-toysの世界の艦船キットシリーズから待望の第4弾となる「世界の艦船キットvol.4」が発売されました.
今回は第二次世界大戦に活躍したドイツ海軍の超弩級戦艦姉妹「ビスマルク」「ティルピッツ」とイギリス海軍のネルソン級戦艦姉妹「ネルソン」「ロドニー」,そして旧日本海軍から「ソロモンの狼」こと重巡洋艦「青葉」がラインアップされています.
全ラインアップが新金型のキットですので,1/2000スケールとしての完成度が非常に気になる所です.
実際に箱買いした筆者が製作や完成品についてレビューしていきたいと思います.
最後までよろしくお願いします.
結論
- 手のひらサイズのドイツ戦艦:ビスマルク級やイギリス戦艦:ネルソン級が欲しい方にオススメ
- フルハルverと洋上verにおいて塗装違いなどの差異はなし
- 手軽に海外の戦艦を製作したい方にオススメ
商品パッケージ
こちらが1BOX(10個入り)で箱買いした「世界の艦船キット vol.4」の外観となります.
外箱にはラインアップが完成品画像付きで印刷されています.
文字印刷に赤インクを使用しているせいか,完成品の艦底が赤色のワンポイントカラーで印刷されているちょっと豪華な仕様.
BOXの中に10個のキットが収納されています.
各キットの入っているパッケージがこちらです.
ビスマルクが「ドドンっ!」と表紙を飾っています.
ラインアップ
キットのラインアップがフルカラーの完成品画像で紹介されています.
- 戦艦ビスマルク
- 戦艦ティルピッツ
- 戦艦ネルソン
- 戦艦ロドニー
- 重巡洋艦青葉
ラインアップは上記の5種類で,それぞれに「フルハルver」と「洋上ver」があります.
フルハル・洋上含めて全10種類となりますので,箱買い(1BOX10個入り)すれば全て揃います.
キット内容
キットの内容は
- 解説書(裏側は組立説明書)
- ブリスターで保護された塗装済み組立キット
- チューインガム
となります.
解説書にはキット内容に応じて各艦船の解説がされています.
画像の通り解説が細かくて筆者的には楽しんで読むことができました.
なお,各艦船ごとに解説書が用意されており全5種類となります.
フルハルverと洋上verは共通となります.
解説書の裏側が組み立て説明書になっており,フルハルverと洋上ver共通の内容となっています.
それではさっそくレビューしていきたいと思います.(^^♪
製作レビュー
01 戦艦ビスマルク フルハルver 製作
まずは筆者の本命であるビスマルクからレビューしていきます.
フルハルverを製作していきます.
パーツを並べた状態です.
1円玉とパーツを比較すると分かりますが,パーツはかなり小さいのでピンセットは必須かと思います.
これは船体のパーツになりますが,木甲板の丁寧かつ繊細に塗り分けられた塗装が目を引きます.
「ボラード」を再現した凹凸は肉眼ではほぼ見えませんが,軍艦色でしっかり塗装されており驚きました.
恐らくですが,筆塗りではなくプリンターのような機械で塗装しているのかと思われます.
よくよく見るとパーツの凹凸と軍艦色塗装が全体的に同じ間隔でズレていました.
艦橋および周辺構造物がブロック構造で別パーツ化されています.
木甲板の塗り分け塗装が見事です.
こちらはメインランナーになります.
この主砲と副砲をご覧ください.
ドイツ艦船の特徴である砲塔天蓋(てんがい)の黒塗装や防水布の白塗装が丁寧に塗り分けられています.
まずは艦底のスクリューから組立していきます.
ここで驚いたのが,ビスマルクのスクリューが3軸であることです!!
無知な筆者は初めてビスマルクが3軸推進であることを知り,いろいろと調べる始末.
同年代の戦艦と比較して珍しい配置を採用していたようです.
3軸推進は戦艦ビスマルクの大きな特徴ですので,フルハルverの魅力がより高まるのではないでしょうか.
組立に関してパーツの合いは良好で組みやすかったです.
上層部の組立をしていきます.
艦橋や主砲がメインです.
組立完了後はこんな感じです.
主砲は動かして遊びたかったので,あえて接着していません.
パーツの合いが良好なので,ストレスなく組めました.
残るはこちらのとても細かいパーツです.
副砲は指でもなんとか組めますが,その他のパーツはピンセットがないと厳しいかと思います.
また,部品を「ピンっ!!」と弾いて紛失するリスクもありますのでその点はご注意ください.
組立としてはクレーンと後部マストの組付けが少しキツメでしたので,流し込み接着剤で塗装を溶かしながらダボ穴へ押し込んでいます.
全パーツを組めばビスマルク完成です!
ちなみに筆者が使用したピンセットと接着剤はこちらになります.
01 戦艦ビスマルク フルハルver 完成
戦艦ビスマルク フルハルverの完成品になります.
端的に申し上げて素晴らしいの一言!
フルハルverの完成品とネーム付き台座の相性が抜群に良いですね!
舷側の特徴的な迷彩塗装や細かい色分けがワンポイントカラーとなり,全体的に見応えのある仕上がりになっています.
04 戦艦ロドニー フルハルver 製作
次はイギリス海軍の戦艦ロドニーを製作していきます.
解説書および組立説明書はこんな感じです.
全パーツはご覧の通りとなります.
船体のパーツをよく見ると,舷側(げんそく)に溶接跡あるいは鋼板継目のようなディテールがあります.
主砲パーツになりますが,ネルソン級は防水布がないため白塗装はありません.
軍艦色だけのためメリハリがなくのっぺりとした印象です.
後部マストは一部が黒色で部分塗装されています.
この木甲板の色分け塗装いかがでしょうか?
1/700スケール(30cmサイズ)かと思うくらい素晴らしい仕上がりです.(実際には12cmの船体)
艦底のパーツから組み始めますが,なんとネルソン級は2軸推進のためスクリューパーツを2個組みます.
そこで,最大速力・最大出力を各国の戦艦と比較してみます.
- ネルソン級 :23.0ノット・ 45,000 [hp]・2軸推進
- ビスマルク級:30.1ノット・150,170 [hp]・3軸推進
- 大和型 :27.5ノット・151,452 [hp]・4軸推進
やはり最大速力はネルソン級が劣っている結果に.
ビスマルクの出力が戦艦大和と大差ないのも驚きです.
ちなみに,ビスマルク級と大和型は1940年以降の就役ですが,ネルソン級は1927年に就役しています.
つまり,ネルソン級は一世代前の戦艦なので速力が遅いのも納得です.
ちなみに同世代のイギリス戦艦だと
- キング・ジョージ5世級: 28ノット・110,000 [hp]・4軸推進
となりますので,戦艦ビスマルクや戦艦大和に近いスペックとなっています.
話が脱線しましたので製作に戻ります.
甲板に組む全パーツの画像になります.
組立では主砲とクレーンを組む際,少し力を入れて押し込む必要がありました.
04 戦艦ロドニー フルハルver 完成
戦艦ロドニー フルハルverの完成品になります.
各パーツを単品で見たときはビスマルク程色分けがなく,あまり完成度に期待はしていませんでした.
しかし,完成してみると素晴らしい完成度になりました.
甲板の精密すぎる色分け塗装が完成度に大きな影響を与えていることは間違いないでしょう.
05 重巡洋艦青葉 フルハルver 製作
次は重巡洋艦青葉を製作していきます.
旧日本海軍の艦船です.
解説書および組立説明書はこんな感じです.
全パーツはご覧の通りとなります.
戦艦と比べパーツ数は少ないです.
戦艦ロドニーと同様驚かされたのがこの舷側(げんそく)に再現されたディテールです.
溶接跡あるいは鋼板継目ディテールだけでなく,舷側の窓である舷窓(げんそう)までしっかり再現されています.
1/700スケールでもここまで細かいディテールを再現したキットはなかなか見ません.
各ランナーの部分塗装としては,主砲パーツの防水布が白塗装されています.
その他,煙突も黒塗装されていました.
それでは艦底のスクリューから組んでいきます.
F-toysの艦船キットシリーズはだいたい組むのが大変なのですが,今回は全く問題なくスムーズに組めました.
舵のパーツは少しダボ穴がキツイので,接着剤を流し込んでから組んでいます.
塗膜による厚みが原因かと思われます.
そして筆者はここで疑問を持ちます.
「なんでネルソン級よりもサイズの小さい青葉が4軸推進なの?」
ということでまたレビューから脱線して,青葉と各艦の最大速力・最大出力を比較してみました.
- 重巡洋艦青葉:33.4ノット・104,200 [hp]
- ネルソン級 :23.0ノット・ 45,000 [hp]
- ビスマルク級:30.1ノット・150,170 [hp]
- 大和型 :27.5ノット・151,452 [hp]
「凄いっ!!」
なんと青葉はネルソン級と比べ2倍以上の出力がありました.
製作に戻ります.
青葉の組立に使用する全パーツを並べた画像です.
非常にシンプルな部品構成のため,組立においては基本的に問題ありませんでした.
艦橋と煙突にあるバリが一部干渉していましたが,組めないことはありませんでした.
04 重巡洋艦青葉 フルハルver 完成
重巡洋艦青葉 フルハルverの完成品になります.
これまで組んできた戦艦と比べるとサイズ的に少し見劣りしますが,舷側のディテールがとても細かく見応えがあります.
写真だとなかなか分かりにくいですが,肉眼でみると細かく再現されたディテールに目が奪われます.
ここからはビスマルクの姉妹艦であるティルピッツと,ロドニーの姉妹艦であるネルソンについて簡単ですが紹介していきます.
02 戦艦ティルピッツ フルハルver
ビスマルクの姉妹艦がこちらの戦艦ティルピッツになります.
解説書および組立説明書はこんな感じでティルピッツ専用となっています.
全パーツはご覧の通りとなります.
船体パーツは舷側の塗装がビスマルクと異なります.
舷側全体にスキーム塗装がされています.
艦橋関係の構造物は明らかにビスマルクと塗装が異なります.
ランナーの主砲や副砲をよく見るとそれぞれで迷彩塗装が違います.
このランナーはティルピッツ専用となります.
ティルピッツは戦艦にも関わらず,55.3cm 4連装魚雷発射管を両舷に1基ずつ装備していました.
ビスマルクが沈没した1941年から2年後の1943年に追加装備されたようです.
なお,組立性に関してはビスマルクとあまり変わらなかったため割愛します.
こちらがティルピッツの完成品となります.
素晴らしいを通り越し,美しい仕上がりとなりました.
ビスマルクとは異なるスキーム塗装や青色の甲板などが丁寧に塗り分けられており,素晴らしい完成度です.
以下は,ビスマルクと並べた完成品になります.
03 戦艦ネルソン フルハルver
次はロドニーの姉にあたる戦艦ネルソンになります.
解説書および組立説明書はこんな感じでネルソン専用となっています.
パーツ構成はロドニーとほぼ同じです.
全パーツはご覧の通りとなります.
ロドニーと比べネルソンは明るい軍艦色となっています.
ロドニーと唯一異なるのがこちらの主砲に再現されたディテールです.
主砲をよく見ると砲塔天蓋(てんがい)に搭載された機銃のディテールがあります.
なお,組立はロドニーと完全に同じため割愛します.
こちらが戦艦ネルソンの完成品となります.
明るめの軍艦色や舷側のスキーム塗装により,ロドニーとは雰囲気の違う仕上がりとなっています.
煙突の黒塗装や舷側の青塗装がワンポイントカラーとなり,全体的に見応えのある完成度です.
以下,ロドニーと並べた完成品になります.
全ラインアップ フルハルver 完成品
5隻の完成品を並べたときの見応えは圧巻です.
重巡洋艦青葉もビスマルク級やネルソン級と比べると,なかなかに大きい軍艦であることがよく分かります.
本記事のまとめ
F-toysから発売された「世界の艦船キット vol.4」についてレビューしました.
ヨーロッパ戦艦を製作したのは初めての経験でしたが,日本戦艦にはない魅力があり製作中も楽しい時間を過ごすことができました.
特にビスマルクとティルピッツのスキーム塗装がとてもカッコイイので,2隻並べて飾ることで抜群の見応えになりました.
ビスマルク級やネルソン級の魅力を十分に味わえる素晴らしいキットでした.
以上,F-toys(エフトイズ・コンフェクト)の新商品「世界の艦船キット vol.4」についてキットレビュー&製作レビューでした.
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